スリランカでのインド企業冷遇
【日刊 アジアのエネルギー最前線】スリランカでのインド企業冷遇
http://my.reset.jp/adachihayao/index.htm
☆ 中国で日本の高級米が輸入されるのは,この先,2,3年だろう
NHKが2夜連続で日本の農業の国際化を特集していた。意欲に満ちた番組で,鹿野農林大臣も大いに身を乗り出して,20万トンの高級米を中国へ輸出する構想を描いている。米の将来は明るい,と言う番組であった。聞いていて危ないと思ったのは,中国が価格が10倍もするような米を唯諾々と日本から輸入し続けるとは思えない,せいぜい2,3年の夢ではないか,と思いながら見ていた。
それは我々が長年に亘ってエネルギー分野で中国に協力してきた経験である。非常に初期のODA交渉でも,火力機器は日本からの輸入は最初だけ,2号機からは国産を狙うし,中国はその能力を持っている。三峡ダムの発電水車機器の入札に負けたのは,国産化への協力を怠った提案だったからだ。農業は気候も土壌も違うが,10倍にも高く売れる米を中国人が指をくわえて,日本から輸入し続けるとは思えない。
☆ スリランカ,中国の顔色を見ながら,インド企業を冷遇
マヒンダ・ラジャパクサ大統領,2010年1月に政敵と接戦を演じて2期目の大統領として,スリランカを率いているが,人権問題など,国際社会からの非難は絶えない。しかし兎も角,彼は東部に割拠した反政府勢力,タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)との26年に及ぶ内戦を,2009年5月に武力で制圧して終結させた。その終結時点で,民間人7,000人が死亡,国連は,「大量虐殺」,と呼んでいる。
今となってみれば,日本政府はお人好しであった,甘い夢を見ていた,と言わざるを得ない。スリランカは,最初に戦後賠償を宣言した親日国,として,北部の反政府軍の反乱を認めながら,スリランカのエネルギー問題を取り仕切っているような錯覚に陥って,その将来像を描いて協力し,反政府軍との仲介を行うために,何度も明石さんを政府代表で,現地に送り込んでいた。
日本がその様な表の外交活動をしているとき,スリランカ政府も,日本側が見る親日国としての姿勢で対応していたが,今となってみれば,中国政府がスリランカ政府に膨大な軍事援助を行っていて,中国自身は,反政府軍との和平などあり得ない,軍事力による反政府軍の壊滅以外の解決策はない,と見ていたのだろう。民間人の大量虐殺があっても,武力でたたきつぶす,と言う中国政府とスリランカ政府の同意があったのだろう。
制圧後の明石さんなどのコメントはないが,ラジャパクサ大統領が日本を切って全面的に中国に乗り換えたことは,結果として間違いのないところだろう。スリランカのエネルギー問題は,石炭火力の建設なくして解決策はない,という思いは,私も,当時のJBICも,Jパワーも,中部電力も,思いは同じだったと思う。しかし,Jパワーの専門家も現地に入っての石炭火力プロジェクトは,現地住民の反対,という理由で,一向に進展しなかった。
中国が供与した武器で反政府軍を完全に駆逐した直後,ラジャパクサ大統領は,中国企業を招いて,西岸のプットラムに,最終規模900MW,ユニット300MWの石炭火力建設を要請した。Jパワーがもたもたしていた時点に比べて,スリランカ政府は環境団体を抑え込んで,あっという間に着工に漕ぎ着けた。このときの中国政府には,既にインド洋の,「首飾り作戦」,南部のハンバントタ港の軍港化が視野に入っていた。
インド政府は,その地政的観点から,スリランカを中国政府の蹂躙に任せるわけにはいかない,と言う立場で,同じく西岸に石炭火力を建設すべく,NTPCの技術陣を,交渉に派遣した。しかしあの時の情景は,今でも脳裏から去らない,スリランカ政府は,既にインフラのあるプットラムの地点を中郷企業のために準備し,インド企業に対しては,同じ地域にあって,道路も港もない地点を割り振った。
当時のインド調査団は,余りのスリランカ政府の差別に,息をのむ思いで相手を見つめていた。中国の石炭火力は,既に1号機が完成して,スリランカの電力事情に大いに貢献しているが,東部トリンコマレーに追いやられたインド側,NTPCは,今になっても用地問題が解決せず,困り果てている。何も,捨てて帰ればよいだろう,と思うが,スリランカを中国企業に蹂躙されたまま,と言うのは,インドは放置する訳にはいかないのだろう。
今日の記事を読んでみると,インド企業が如何に難しい立場に立たされているかが分かる,即ち,スリランカの東部沿岸サンプールの500MW石炭火力,インドのNTPCが交渉しているが,法務大臣が許可を下ろさず,遅れに遅れた,最近やっと許可が下りそうである,CEBとの合弁であるが,政府の難癖に,インド側は何か上位の反対がありそうと,深い懸念を抱いている。
もっと立ち入って考える,中国にとってスリランカは,北朝鮮,カンボジア,ミャンマー,パキスタンの線上にある。既にラジャパクサ大統領は,原子力発電所の建設を中国に要求しており,それは,中国の先兵としての核武装を考えていると見ることが出来る。中国にとって,スリランカのハンバントタ港を中国の軍港にしなければ,ミャンマーを縦断して昆明から上海に送るパイプラインも成立しないことになるのである。
日本が勝手に親日国として交渉していたスリランカは,ラジャパクサ大統領によって,遠くに去って行く。それは,スリランカの人権問題が,日本政府の考え方と一致しないからである。虐殺や人権侵害で潘基文国連事務総長は,中立な国際調査団の設立を提案するほど,スリランカと国際社会は対立している。私は,これからの外交で,西に残った親日国,トルコについて,前者の轍を踏まないよう,祈るばかりである。
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☆ 参考資料
●110310A Pakistan, tribune.com.pk
パキスタンのパンジャブ州,上流のインドのダム開発で報告書を提出,
Punjab may press for dam debate with India
http://bit.ly/hb3BBm
The Punjab government is likely to ask the federal government to raise at all possible forums India’s alleged violations of the Indus Waters Treaty (IWT) of 1960 in building dams and hydropower plants on Pakistani rivers. Chenab, Jhelum and Indus rivers,to build 10 hydroelectric plants,capacity of 5,585 MW,Salal, Baghlihar and Dul Husti on the Chenab,eight small plants on the Chenab’s tributaries,Salal 40 miles upstream of the Marala headworks capacity of 58,000 acre feet,Dul Hasti 126 miles upstream of Marala capacity of 6,485 acre feet,Baghlihar 92 miles above Marala 164,000 acre feet,another 74 small plants on the Jhelum’s tributaries,Kishanganga on the Neelum River in Indian Jammu and Kashmir,Line of Control,Wuller Lake,330 MW powerhouse,by 27 per cent,Indus Waters Commissioners,at Mangla,Uri hydropower plant on the Jhelum,to the prime minister next week
パキスタンのインダス下流パンジャブ州は,上流のインドのダム開発で中央政府にインダス河条約違反について,抗議するよう,調査報告書を提出,シェナブ,ジェルム,インダス本流など10ダムで5,585MWを開発中,マララ市下流に水不足を来していると http://bit.ly/hb3BBm
●110310B India, livemint.com
インド,NHPC,2,000MWスバンシリ水力,州政府
NHPC, Arunachal yet to sign pact on Subansiri project
http://bit.ly/dGYbxn
NHPC Ltd, which is constructing the 2,000 megawatt (MW) Subansiri Lower project in Arunachal Pradesh, is yet to sign the power purchase agreement (PPA) with the state government. since 2007,Arunachal Pradesh,Rs.6,400 crore project,border disputes between Assam and Arunachal Pradesh,upper and middle Subansiri river basi,Tumke Bagra, Arunachal Pradesh’s power secretary,A.B.L. Srivastava, chairman and managing director, NHPC,to be completed by end-201,generate 6,500MW of power,4,000MW Etalin and 500MW Attunli hydropower projects,Rs.5 lakh per MW up-front,3,000MW Dibang hydropower project,north-eastern states and Bhutan is about 58,000MW,Arunachal Pradesh alone accounts for 50,328MW,107 projects for development in Arunachal Pradesh to produce 37,000MW,NHPC, which has a current power generation capacity of 5,295MW,added 1,917MW during the 10th Plan,14,393MW set for hydropower generation in the 10th Plan.,hydropower sector accounts for 37,367MW of India’s 170,228 MW power generating capacity,16,501.17MW of hydropower capacity by 2012
インド,NHPC,2,000MWスバンシリ水力は,2007年以来,アルンチャルプラデシュ州のPPAを得るべく交渉中であるが,州政府は返答なし,NHPCは中央政府に仲介を依頼,過去に4000MWエタリン,5000MWアトリなど,棚上げされている http://bit.ly/dGYbxn
●110310C Srilanka, expressbuzz.com
スリランカのサンプールの500MW石炭火力,NTPC
NTPC’s Lanka JV to see the light of day
http://bit.ly/fXP9PQ
The long-pending India-Sri Lanka joint venture to set up a 500 MW coal-fired power plant at Sampur in Eastern Sri Lanka could see the light of day sometime this month, Lankan Minister for Power, Champika Ranawakka, told Express here on Tuesday. Ceylon Electricity Board (CEB),Lankan Attorney General (AG),National Thermal Power Corporation (NTPC),sovereign guarantees,Indians preferring a location on the western side of China Bay near the Trincomalee harbour,displacement of 25,000 Tamils,70 legal issues,some powerful forces were preventing
スリランカの東部沿岸サンプールの500MW石炭火力,インドのNTPCが交渉しているが,法務大臣が許可を下ろさず,遅れに遅れた,最近やっと許可が下りそうである,CEBとの合弁であるが,政府の難癖に,インド側は何か上位の反対がありそうと http://bit.ly/fXP9PQ
○110310 伊藤博文の子孫が日中韓会談に挑む! 新外相は「華麗なる一族」
http://bit.ly/e5nIVO
伊藤博文の子孫が日中韓会談に挑む! 新外相は「華麗なる一族」,明治の元勲・伊藤博文初代総理大臣の子孫で、父は自民党で防衛庁長官を務めた松本十郎氏。外務省内では「頭が切れ、気配りもきく」と評判が良く、ホワイトハウスも松本氏に好意的とされる http://bit.ly/e5nIVO
○110310 民主ボロボロお見通しだ!尖閣にまた中国監視船
http://bit.ly/hSRup7
国内のゴタゴタを見透かしての挑発的行動なのか。9日午前7時ごろ、沖縄県・尖閣諸島久場島の北西約90キロの海域を、中国の漁業監視船「漁政202」が南に向かって航行しているのを海上保安庁の航空機が発見した。同船は午前9時15分ごろ、魚釣島 http://bit.ly/hSRup7
○110310 東シナ海ガス田開発:中国、「生産段階」否定
http://bit.ly/hO7aML
外務省幹部は9日、東シナ海ガス田「白樺」が「生産段階」にあると中国の全国人民代表大会(全人代)代表が述べたとの一部報道について、外交ルートで中国側に確認したところ「事実ではない」と回答があった。中国海洋石油幹部で全人代代表の宋恩来氏 http://bit.ly/hO7aML
○110310 松本外相が就任会見「TPP、前向きに取り組む」
http://s.nikkei.com/hyIbq8
松本剛明外相は,TPP交渉参加を積極的に検討する考えを示した。「日本は国際的な障壁が低い経済状況をつくることで大きなメリットを得た。TPPも前向きに取り組む必要がある」と述べた。政府や与党内の一部にあるTPP参加への慎重論にはhttp://s.nikkei.com/hyIbq8
○110310 リビアの原油生産量3分の1に 原油高歯止めかからず
http://bit.ly/f2etqg
騒乱が続くリビアの国営石油会社のガネム総裁は9日、首都トリポリで記者会見し、同国の原油生産量が日量約50万バレルと従来の3分の1以下に落ち込んだことを明らかにした。リビアの原油生産量は日量約160万バレルだった。外国人労働者が出国 http://bit.ly/f2etqg
○110310 急成長するスマートグリッド関連市場 2020年に世界全体で5兆8000億円に
http://bit.ly/fgwBe7
世界のスマートグリッド,知的送電網,関連市場が今後、急速に伸びる見通しだ。スマートメーター、通信ネットワーク、住宅エネルギー管理システム,エネルギー貯蔵システムなどを含む関連市場が、2020年に5兆8170億円に拡大する。2009年比で約6倍に当たる http://bit.ly/fgwBe7
○110310 ベトナム政府:国家の戦略的企業は政府保有率100%に
http://bit.ly/gqkxq8
ベトナム政府:国家の戦略的企業は政府保有率100%に,国家電力網の送電会社、大規模電力生産販売企業、鉄道管理運営企業、空港、一級港湾などにおける政府保有率を100%とする。総出力500メガワット以上の発電企業、石炭・ボーキサイト・銅・鉄・亜鉛・金 http://bit.ly/gqkxq8
○110310 インフラ輸出で日・豪連携/PPPフォーラム/水・鉄道に商機探る
http://bit.ly/gpqRC8
豪州のPPP関連ノウハウと日本の技術や投資を連携させて、ASEAN諸国などにインフラ輸出をしようという取り組みが高まりを見せている。東京で日豪インフラ・フォーラムを共催し、道路、水、鉄道・エネルギー、金融の4分野でセッションを行い、情報共有と意見交換 http://bit.ly/gpqRC8
○110310 電源3法交付金 13億円減 昨年度 7年ぶり減203億円
http://bit.ly/eXtshx
原発の立地自治体などに国が支給する「電源3法交付金」の県内への交付額が、2009年度は前年度より約13億6000万円少ない203億8661万円で、7年ぶりに前年度度割れしたことが、県のまとめでわかった。交付金を財源とする大型事業の終了http://bit.ly/eXtshx
○110310 IEA事務局長ポスト 日本失うか
http://bit.ly/i97Zh7
石油の主な消費国で作る国際エネルギー機関の、次の事務局長を選ぶ理事会を前にした、投票の段階で、再選を目指した、日本人で現職の田中伸男氏が、オランダ人の候補に敗れたことが明らかになり、ポストを失う可能性が出ています。経済産業省出身の田中伸男氏 http://bit.ly/i97Zh7
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